なんでも小さく始めよう
米粒を欲しがった秀吉の家臣
戦国時代の武将・豊臣秀吉の家臣に、曽呂利新左衛門という男がいました。
秀吉は頭の切れる人物でしたが勉強は得意ではなかったので、この新左衛門が秀吉に学問についての話を聞かせる役をしていたそうです。
ある日、秀吉が新左衛門にご褒美をあげることがありました。
そのとき、何が欲しいかと聞かれた新左衛門はこう答えたそうです。
初日にお米を1粒、そして翌日以降はその倍の数のお米粒を30日間毎日ください
そんなのでいいのか?? と秀吉は思いながらも、お米を与えることにしたんだそうです。
1日目は1粒、2日目は2粒、3日目は4粒、4日目は8粒…という感じで、新左衛門はお米粒をもらい始めました。
2週間経つと、それはようやく1合程度(8192粒)になりました。
そしてこの調子でこのあともこの通りに続けていくと、30日後に新左衛門がもらえるお米はなんと約12トン(約5億3000粒)にもなる計算なんです💡
途中で気づいた秀吉は、慌ててこれを取り消したとか…。
ということでこの話の要点は【お米1粒という小さなものでも、倍にしていけばどこかのタイミングでとてつもなく大きなものになる】ということです。
数学的には【累乗の力】と言えます。
累乗とは【同じ数を繰り返し掛け算すること】なので、そんな単純な計算ですらもゆくゆくは大きい力になるんだよ、と言うことで。
このお米のように、倍に増やすその過程の最中は気づきづらいものの、それを続けていけば飛躍することってことですね。
紙だって折ればものすごい距離に届く
さらにこんな話もあります。
ここに一枚の普通の紙があるとします。
この紙の厚さは一般的な、0.1mmです。
これを1回折ると厚さは0.2mmですよね。
2回折って0.4mm、3回折って0.8mmです。
まだまだ紙は薄く変化も小さいので、とくになんてことはないんだなと思ってしまいますよね。
でもそのまま折り続けるとどうなるでしょうか?
14回折れば約164mで、大人の背ほどにもなり。
30回折れば約107kmで、東京から熱海に届きます。
そして42回折れば約38万kmにもなり、月に届くほどです。
ということで。
ただの紙でも折り続ければ、どこかで一気に厚くなり月にも届くほどになるんですね💡
もう限界だと諦めてしまうその次の一歩が、飛躍的な伸びになるかもしれません。
いきなり大きな成果は出ませんが、小さくてもコツコツ続けることが大事。
脳も小さなスタートを好む
何事も小さく小さく…というので言うと、人間の脳の性質もそう言うふうにできているんですよね🤔
まず、基本的に人間の脳は変化を好まないと言われていますが、それは極端な変化の場合です。
実は脳には【可塑性】という面白い性質があります。
可塑性とはのこと。
例えば、朝ランを習慣化したいと思ったとき、わざわざ新しい靴を買って普段より1時間も早く起きて…とついつい気合を入れてしまいますが、そういう極端な行動は逆に脳に嫌がられてしまうんです。
いきなり大きく変えようとしてはダメ。
まずは普段よりちょっとでいいから早く起きて、持っている靴の中で一番動きやすい物を履き近所を散歩する。
このくらいから始めればいいんです。
何か始める前に計画ばかり立てたり、形にこだわったりすると脳に拒絶されます。
新しいことをいきなり完璧に行おうとするほど、初期段階でつまづくのはこのせい。
いざそれを実行しようとしても、脳はなかなかその通りに動いてはくれないということで。
だからこそ、この【可塑性】を思い出して、とにかくまずは小さく小さく始めること。
そしたら脳はそれを受け入れ、新しく始めたことを習慣化しようとしてくれるはずだから!!
可塑性そして累乗の力を信じて、小さくコツコツやっていきたいですね🌱