中途半端で止めてみる
現代人が覚えておくべきザイガルニック効果とは
作家アーネスト・ヘミングウェイは執筆中、まだ精力があっても次の展開が頭で描けている段階で書くのを止めて、いったん案を寝かせてからまた書き始めていたといいます。
普通でしたら、次の展開まで浮かんでいるのなら、そのまま作業を続けてしまおうと思いますよね。
それなのになぜヘミングウェイはそれをあえてしないでいたのか?
ある物事は、“完了した状態より中断された状態の方が人の記憶や印象には残りやすい、という心理効果あります。
つまり作業は完結するとすぐ記憶から消えてしまうけど、中途半端なものほど印象が残りやすいんです。
これを心理学的にザイガルニック効果と呼びます。
もしかしたらヘミングウェイは、この効果を理解し活用していたのかもしれません。
そして、だからこそ、ヘミングウェイが書く小説は秀逸だったのかもしれませんね。
これを働き方で例えると
ところでこの効果は、次のようにも言い換えができます。
長期で継続性のある作業をするときは、キリのいい場面ではなく、中途半端に中断する方がその後作業再開時の効率がよくなる。
さて、これを踏まえて日本と海外の仕事の仕方を比べてみるとどうなるでしょうか?
前提として、それぞれの概ねの気質は次の通りです。
日本人はなんでも理想と完璧を目指す。
最短で達成しようとするから毎日キリいいところまで…と過度に働きすぎる傾向があります。
対して海外では(ざっくりまとめますが)往々にして、何かするならとりあえず最低限やればいい、ということが多い。
なので、ある作業をこの2者が行なっているとして:
日本人であれば、“この仕事は今日中までにキリのいいところ前終わらせてしまおう!”と言いその結果、残業をしてしまう。
律儀に働きますが、作業が長時間になればなるほど集中力も途切れ生産性は低い状況。
あとあとに振り返るとミスも多く、結局やり直しをするハメにもなるかもしれません。
一方海外だと、ある作業が終わっていないとしても、その日に必ず仕上げなくてはいけないわけでない限り、翌日に残して、定時で仕事は終わり。
時間になったら途中でも切り上げますが、ここでザイガルニック効果が働くので、結局翌日に続きを行う方が効率もいいわけですよね。
言うまでもなく、定時で仕事を切り上げることで自分の時間も十分に確保でき、QOLも高くなります。
こうも違うわけです。
さて、あなたなら、どちらの働き方を取りたいでしょうか??