人生が応援で溢れたら…
ホーソン効果とピグマリオン効果
スポーツ選手やミュージシャンは何万人もの観衆の前でパフォーマンスすることがありますよね。
そんな一般人には想像できない緊張感やプレッシャーがあるはずです。
でもそんな中、彼らは決まって、“皆さんの応援があるから頑張れます”と言いますよね。
この言葉がとても興味深いんです。
というのも本当に、応援の力によりいいパフォーマンスが出せるようになるのは事実だからです。
実は人は他者から注目を浴びると好成果を出しやすいという心理効果があるんです。
日本の民間企業によるある調査でも、スポーツ選手は競技中に観客からの応援があることでパフォーマンスが20%向上することが証明されています。
このいわゆる“応援”の力の代表的なものが、ホーソン効果とピグマリオン効果です。
この2つの効果はほぼ同じ解釈といえます。
ホーソン効果は他者からの“注目”や“関心”によって生産性が上がり、ピグマリオン効果は他者から“期待”によって成績が上がるというもの。
微妙に異なりますがどちらの効果も、“応援されている”という認識が結果に良い影響を及ぼす点で共通しています。
ちなみに、ホーソン効果はアメリカの民間製造企業(ウェスタン・エレクトリック社)で行われた実験が由来の効果です。
人の生産性が向上する要因は、労働条件や経済的な条件よりも、“注目を集めている“という意識の方が大きいというもの。
一方、ピグマリオン効果はアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱したもので、その名前はギリシャ神話の登場人物に由来します。
ちなみにどんな内容かというと、次のような話です。
昔、地中海のキプロス島にピグマリオンという王様がいました。
あるとき彼は現実世界の女性に失望し、理想の女性の像を自ら彫りました。
そこでその彫刻像に本当に恋をしてしまいました。
そしてその像が本当の人間になることを切実に願い続けました。
そんなひた向きなピグマリオン王の姿を見た神様は感銘を受け、その像を本当の女性にしてくれました。
おかげでピグマリオンはその女性と結ばれたのでした。
…という話です。
つまりは、“誠実であればいつかは運命が応援してくれる”といった教訓的な内容です。
切実に強く願い続ければいつか神様も応援してくれて、その結果望みが叶う、といったところでしょうか🌱
応援が溢れる環境を作ること
話は戻りますが、とにかく、応援には力があることは間違いないわけです。
だとすれば、自分の夢を公言し、心から応援してくれる人を周囲に作るといいということですね。
でもそれは同時に、これまでのように周囲に宣言するという常套手段だけじゃ足りないということでもあります⚠️
応援されればそれだけで効果が出る、という甘いものではないんですね。
例えば禁煙するとかダイエットするとかを、家族や友人に言うとして、でもその人が何回試しても自制心が低く途中で挫折するような人だったら?
周囲は段々と“どうせまた続かないでしょ”、と冷ややかになり応援なんてしてくれなくなりますよね😅
だから、ちゃんと公言して応援をしてもらおうと想うのであれば、自分も誠意を見せないとダメですね。
“本当にあなたならできるから頑張って!”と応援してもらえるようにならないといけないんです。
普段からちゃんと行動をする人でいないと。
応援する側も応援される側もよきパートナーや家族・友人を持つこと。
そしてはじめて、健全な応援の溢れる環境ができますよね🌱