生きるって“水を使う”ということだ

水不足の現代に知っておきたい“人間と水”の関係性。
人は1日にどのくらいの水を使っているかご存知でしょうか??
大体、飲料水として1〜2リットル。
料理や洗い物に20〜50リットル。
お風呂で約200リットル、シャワーで10分使うと約120リットル。
トイレは1回の流しで6〜10リットル、1日あたり約30〜50リットル。
ということで大体100〜300リットルくらいの水を、人は1日に使っています。
すると、例えば90歳まで生きるとすればざっと最大9,855,000リットルの水になります。
人は人生で約1,000万リットルの水を使ってる…、いえ、でもちょっと待ってください。
でも実はこれ、目に見えている部分でしかないんです。
人間は毎日たくさんの“モノ”や“サービス”に囲まれて生きていますよね。
でも、その一つひとつの裏に“水”が関わっていること、気づけていますか??
たとえば:
AIが画像を1枚生成するには 1リットル以上の水が必要
AIを動かすためには、データセンターを冷却するために大量の水が必要です。
ある研究では、平均してChatGPTは、1回のチャット(数十〜数百単語程度)で約500ml、画像生成など重たい処理では1リットル以上も水を使っている可能性があると心されています。
冷却のために使われた水は蒸発して再利用不可なものもあれば、処理すれば農業用水や工業用水として使えるものもあるそうですが。
水不足の現代においてその負荷は高いため、冷却は水ではなく空気で(空冷)できないかなども検討されているそうです。

リンゴを1個育てるには 約70リットルの水が必要
リンゴの木は1つの果実を実らせるまでに、雨や灌漑など多くの水を吸収します。
農業では“バーチャルウォーター”と呼ばれる間接的な水の使用が多く、果物1つにも驚くほどの水が使われているんです。
それから、ステーキ1人前(200g)には 約4,000リットルの水が必要。
牛を育てるには、飼料となる作物や飲み水が大量に必要です。
ステーキ1枚分の肉ができるまでに、何年もの時間と水が費やされています。
さらに、コーヒーを1杯淹れるには 約132リットルの水が必要です。
コーヒーは、豆を育てるために大量の水を消費しています。
豆1粒を作るには畑での水やり、精製、輸送まで含めてこの量になると言われています。
まさに“水を飲んでいる”コーヒーです。
▶︎バーチャルウォーターについてはこちらの記事【本当は3倍必要だった?! “食のための水”のこと】をご覧ください🌱
シャンプーを1本(500ml)作るには 約400リットルの水が必要
製品に含まれる水だけでなく、原料の調達や製造工程、容器の洗浄などにも多くの水が使われます。
きれいになるために、見えないところで大量の水が動いています。
デニムパンツ1本を作るには 約7,000リットルの水が必要
コットンの栽培には水が欠かせず、さらに製造・染色・仕上げ洗浄などでも多くの水が使われます。
1本のジーンズができるまでに、バスタブ何十杯分もの水が消えているんです。
▶︎服を作るときに必要な水についてはこちらの記事【新しい服が欲しいとき買う前に読んで欲しいこと】をご覧ください🌱
自動車1台を製造するには 約50,000リットルの水が必要
金属部品の洗浄や冷却、塗装の工程まで含めると、車1台を作るには大量の水が使われています。
見た目には見えないけれど、“水の塊”とも言える存在なんですね。

1人の人間は一生で 約1億リットル以上の水を使っている
このように人間の生活には、目に見えない水が大量に使われています。
その合計量はもやは計算不能ですが、少なく見積もっても一人の人は一生のうちに1億リットル以上の水を使っているとされています。
飲むにも食べるにも暮らすにも、すべての行動に水は不可欠です。
直接使う水だけでなく、食べ物や服、日用品の生産に関わる水まで含めると、人間の生活には【目に見えない水=バーチャルウォーター】がたっぷり使われていることがわかりますよね。
使っている“つもりじゃない”水も、実はたくさん使っているんです。
すべてを節水するのは無理かもしれません。
でも、知ることが第一歩。
選び方を変える、使い方を見直す。
そんな一人ひとりの意識が、水を守る力になりますよね🌱