腸を大切にする理由
腸が健康であることが大事
腸が与える影響は?
”すべての病気は腸から始まる”
古代ギリシャの医学者にして哲学者・ヒポクラテスはかつて“腸内環境の良し悪しで体の健康が決まる“と言いました。なんと、紀元前3世紀今から2200年も前のことです。
現代でこそ、技術が進化して腸が健康にいいことが科学的な証拠とともに明らかになりつつありますが、こんなに昔から人類は腸と健康の関係を知ってたって驚きですよね!
でも実は、良好な腸がもたらすのは健康だけでないんです。
腸については世界中で数えきれないほどの研究がされいますが、それによれば腸は健康のほか、美容や精神の安定にも大きな影響を与えていることが明らかになっているんです。
まずは、腸の状態が健康に関連しているのか、という点を理解していきましょう。
腸管免疫
実は、腸は単なる消化器系ではありません。
体内最大規模の免疫系なんです。
腸には、外から侵入してくる細菌やウイルスを排除する免疫システム”腸管免疫”が備わっています。
代表的なのは小腸の内側にあるパイエル板(リンパの集合体) です。
体内の免疫細胞の約70%が腸器官に存在しているとされ、そのことから腸管免疫は人体の中でも最大規模の免疫システム(=自己防衛システム)と言われます。
腸が健康でないということは、免疫が弱まるということになり、病気にもかかりやすくなるのは言うまでもありませんよね。
腸内細菌
腸の健康は腸内環境で決まります。
腸内環境がよく綺麗であれば、健康です。
そのために欠かせないのが、腸内細菌の存在です。
腸内には約1,000種100兆個もの最近が棲みついており、休みなく腸内環境を整えてくれています。
体内の細菌の約90%が腸器官に存在していますから、腸が特に手厚く人事配置されていることがわかりますね。
腸内細菌には善玉菌と悪玉菌と、そのどちらか優位な方の味方につく日和見菌の3種類があります。
そしてこの細菌の種類ごとのグループを”腸内フローラ”と呼びます。
このグループがそれぞれの仕事を正常にこなしてくれている状態が”腸の中の花畑”のようだと表現されるので、そのイメージからフローラ(flora)と呼ばれています。
活性酸素
美容効果については特に、活性酸素が関わっています。
そもそも活性酸素とは、呼吸して取り込んだ酸素の一部のことで、他の物質を酸化させる力が強くなってしまっている部分です。
摂取した酸素の1〜3%が活性酸素になりますが、それ以上の割合になると細胞の老化を促進させてしまいます。
それが実は、活性酸素の異常発生率の約90%が腸内で起こるんです。
原因は、腸内環境が悪く活性酸素の発生を抑えられなくなるからです。
腸脳相関(腸脳相互作用)
そしてなんといっても腸が重要なのは、脳との密接な関係にあります。
腸脳相関または腸脳相互作用といい、精神の安定に腸と脳が密接に関係していてそれぞれ影響し合っています。
腸と脳は神経系・内分泌系・免疫系の3つの経路を介して情報を伝達し合っています。
例えば過度なプレッシャーや緊張があるとき、下痢気味になったりトイレに行きたくなったりしますよね?
これは、脳がストレスを感知して腸に影響が出ている状態。
逆に腸内環境が悪い状態だと、腸は脳に体内の組織や栄養の分配を腸に有利に働かせるよう合図を出します。
腸は脳からの指令を受け取るだけでなく、脳に指令を送ることもあるんです。
そのため“腸は第2の脳”と言われるほどです。
ここで重要な存在なのが、次に紹介する”ホルモン”です。
消化系の役割の腸内ホルモン
その腸と脳の間で情報を伝達し合う重要な働きをするのが”ホルモン”です。
ホルモンとは、各臓器の働き等を管理する情報伝達物質のことです。
腸内ホルモンは、腸クロム親和細胞という腸内分泌細胞で作られるセクレチン、ガストリン、コレシストキニンなどが代表です。
これらは消化促進、糖分調整、食欲制御などの役割を担います。
腸の主な機能は消化吸収ですからまあ納得いきますよね。
幸せホルモン
実は、一般的には脳内物質だと認識されている“幸せホルモン・セロトニン”も腸で作られているそうなんです。
最新の研究では、セロトニンが生成される全体量のうち80%が腸管細胞、18%が血液などで作られていて、実は脳産は2%程度だけだということがわかってきています。
セロトニンは気分や情緒を調節し、ストレスを減少させ幸福感を与えてくれるホルモンです。
このセロトニンの生成にはトリプトファンという物質が必須ですが、これは基本的に食事から摂取するものとされていました。
ところが、トリプトファンは腸内でも生産できるということがわかってきています。
だから腸内環境の良し悪しがトリプトファンの生成量に影響し、最終的には幸福度に影響が出るということになるんです。
なお、厳密には腸産セロトニンと脳産は異なり、腸産セロトニンは腸管機能を活性化し消化系の働きの促進、脳産セロトニンは一般的に認知されていように心を安定させる精神的作用のため相関関係は低いとする説もあるようです。
ただし、腸の環境の良し悪しが脳に与える影響は少なからずあるというのは事実のようです。
現時点では腸脳相関を立証する明確な研究結果は出ていません。
ですが最新の研究により少しずつ認識が進んでいるようですから、腸と幸福感の関係の証明も期待したいですね。
腸を健康にする方法
ここまでで、いかに腸が健康な状態であることが大事かがお分かりいただけたかと思います。
それではいよいよ、具体的腸を健康をする方法、特に重要な2点を紹介します。
腸を掃除してくれる食材を食べる
腸内環境を掃除し整えてくれる腸に良い”完全腸食”といえば、“プロバイオティクス”です。
腸の働きや人体に有益な作用をもたらす、生きた微生物を含む食品(やそのサプリ)のこと。
例えば、ヨーグルト、甘酒、発酵食品などです。
微生物は乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌麹菌などが該当します。
これらをすすんで食べましょう。
と同時に、腸を汚す食材は排除する意識も大切です。
どういうったものが腸によくない食材かというと、糖質、酸化油、食品添加物などが代表です。
これらで作られている食品はというと、加工食品全般が該当します。
お菓子や惣菜、冷凍食品、ファストフード系の外食は避けましょう。
悪い食材は避け、腸にいい食材はコツコツ毎日継続的に食べるようにしましょう♪
姿勢を正す
現代病ともいえる猫背(前かがみ・内巻き肩)や脚を組む習慣は腸に悪影響を与えます。
かがんだ体勢で腹部が圧迫され、血流が悪くなり腸の動きが停滞します。
逆に姿勢を正せば腹部や横隔膜を本来の通り自由に動かすことができ、食べ物が効率的に消化されます。
普段のスマホ使用やPC作業には十分に注意しましょう⚠️
首や肩凝りにもなるし、見た目も悪くなるし…姿勢ブスはいいことありません!
腸から健康・キレイ・幸せに
もちろん運動や睡眠に加えストレスを溜め込まない健全なメンタル作りも大切です。
短期で効果が現れることはありません。
ある程度の期間をみて、少しずつ習慣化することで腸を健康にしましょう🌱