食事という名のお医者さん(医食同源の話)

医食同源とは

医食同源(いしょくどうげん)
食事は病気の予防や治療にもなるという思想で、食べ物や飲み物は健康や病気に直接的な影響を与えるという考え方のこと。
古代中国で生まれた医学と食事の密接な関係を指す概念です。
決定的な科学的根拠や証拠はないものの広く受け入れられていて、特に東アジアにおいてはもはや文化・生活の一部として自然に溶け込んでいます。

この概念は古代中国哲学の陰陽五行説が基本です。
これは、自然界や人間の体は5つの基本要素(木火土金水)と陰陽のバランスによって構成されている、という理論です。

食材の属性

そして食べ物にも陰陽五行の要素があると考えられています。
食材のそれぞれに五つの基本要素と、陰陽の属性があるので、それを組み合わせることで身体のバランスを調整することができるとされます。
属性とそれぞれの特徴は以下です。

五行の属性
木(もく)

・春・朝に食べるといい
・肝臓・胆嚢にいい
・酸味のある食材や青菜、柑橘類など

火(か)

・晩夏・午後に食べるといい
・心臓・小腸にいい
・苦味のある食材や葉野菜など

土(ど)

・夏・正午に食べるといい
・胃・膵臓・脾臓にいい
・甘味のある食材や穀物など

金(きん)

・秋・夕方に食べるといい
・肺・大腸にいい
・辛味のある食材や根菜など

水(すい)

・冬・夜に食べるといい
・肝臓・膀胱・生殖器系にいい
・塩味のある食材や乾物・海藻類など 

陰陽の属性
陽(よう)

温かい性質や体を温める作用を持つ食材。にんにく、生姜、胡椒など。
相生という相手を育む属性ごとの作用がある。
・木は燃えて火を生む
・火は燃えて土になる
・土を掘って金を得る
・金は表面に水を生む
・水は木を育てる

陰(いん)

冷たい性質や冷え性を持つ食材。柿、みかん、セロリなど。
相克という相手を抑制する属性ごとの作用がある。
・木は土の養分を取る
・土は水を汚す
・水は火を消す
・火は金を溶かす
・金は木を切る

これらの属性を考慮して食材を組み合わせることで、体のバランスや健康に配慮した食事が構築されるとされています。
属性は文化や伝統によって異なる場合があります。

医食同源スタイルの食事とは?

医食同源の概念は経絡やツボ療法、気の利用など、東洋医学的な思想に近いと言われます。
そのため、消化器疾患、心血管疾患、糖尿病などに対する食事療法としても用いられます。
食事療法としての具体的な効果や効能は確実と言い切れませんが、薬や手術での治療をなるべく避け自然治癒を促進したい人に好まれる傾向です。

では、その医食同源の観点から見た健康的な食事とはどのような特徴でしょうか?
要点は以下です。
①偏らない栄養
②フレッシュ素材
③発酵
④蒸す煮る茹でる
⑤ゆっくり少量食べる

これって、まさに昔ながらの和食ですよね!
実際、この考え方が日本に伝わったあとそれがアレンジされ、”五味・五色・五感・五法”という和食の概念が確立しました。
他にも伝統的な中国・韓国料理はもちろん、アーユルヴェーダに基づくインド料理もまさに該当します♪

加工食品ばっかり食べて病気になったら薬漬け。
そんなのよりは質素って言われたって病気にならない食事の方がよくないですか?
正しい食事で病気知らずの体を手に入れましょう♪

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