揚げ物の後、使い終わった油が自然を守る

次世代の世界的エシカルトレンドになるかも…”SAF”

家で揚げ物をしたあとの使い終わった食用油って、みなさんいつも捨てていますよね?
そんな食用油の廃油が、これから次世代の世界的なエシカルトレンドになろうとしているんです。
それもなんと飛行機の燃料になるという話です。
”SAF(=Sustainable Aviation Fuel)・持続可能な航空燃料”と呼ばれる新しい燃料について、紹介します。

現在、世界的に二酸化炭素削減が意識されていますよね?
実は航空業界は二酸化炭素の排出が大きい産業のため、非難の的になっています。
世界の二酸化炭素排出量のうち航空業界分野が占める排出の割合は2%です。
これだけ聞くと小さいかもしれませんが、1つの産業の排出量としてはかなり大きいんです。

航空機は一般的に二酸化炭素を削減しづらい乗り物です。
車体が大きく、離陸や機体上昇時に圧倒的な高出力が求めるため、バッテリーを大型化する分機体が重くなり燃費が悪化するため電気化も難しいそう。
そこでSAFが注目され航空業界で革命が起き始めているんです。

とにかくエコ

飛行機の燃料と食用油って全然違うんじゃないの?と思いますよね。
ところがSAFは従来の燃料と特性がほぼ変わらないため、既存の機体でそのまま使えるんだそうです。
食用油に限らず調味料や石鹸など、私たちが日頃から口にしたり体につけたりしてる物のほとんどは石油でできているので、根本は同じですからね!

しかもこの新燃料SAFなら従来燃料と比べて80%も二酸化炭素を削減できる、と見込まれています。
それから精製したSAF自体もリサイクルできるんだそうです。
そもそも廃油をSAFにするだけでもエシカルですが、そのSAFはさらに繰り返して何度も使えるというエコぶり!

すでにかなり現実的な話

このSAFの開発、実は最新のニュースではなく、2010年の国際民間航空機関(ICAO)の総会で燃料効率の改善と2020年以降の温室効果ガスの総排出節減に対する目標が明確化した頃から、新燃料としての研究開発が本格的に始まっています。
既に“ASTM D7566”という名前の国際規格も存在していて、現在7種類の製造方法が承認されています。

特に興味深いのが、その承認済みの7種類の製造方法のうち現在最も普及しているのが、使用済みの食用油や植物油を水素化処理により製造する方法(HEFA)だという点。
SAFは従来の燃料に比べて原料コストが高いので製造コストも2~10倍かかると言われている中、飲食業界から排出される食用油の廃油は原料として安価です。
当然そこを狙って、製造者の間でサプライ確保のための競争は激化
現在の仕入れ対象は大手のコンビニや外食チェーンのみのようですけど、今後、もっと規制を整えた上でサプライ元(買い取り口)を増やすことは十分考えられますよね!
ということは将来的に、家で揚げた唐揚げの廃油を燃料再生企業に買い取ってもらえることもありえます😁

家で揚げ物料理したら、その油が自然を守るんですよ🌱
夢のある話ですよね♪

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