何かを手に入れたいのなら

”普通”じゃない考えと、”普通じゃない”ことをする勇気

まずはこちらの図を見てみてください。

次の図の9つの点のどれか1点から出発して直線4本で9つの点を全てつなげてください。ただし一筆書きです。

なお、2〜3回試してみても分からなければサクッと以下の答えに移りましょう。直感的に分からなければきっとこの問題はあなたむきではありません。

次にスクロールすると、答えが出てきます。

ということでこれが答えです。

ここで肝心なのは、”9つの点で作られた枠の外”に出なければ正解できないこと。そして、それに気づけるためにはラテラルシンキング力が必要ということです。この問題はラテラルシンキング力があればほぼ一瞬で解けますがなければいつまで経っても解けないんです。社会的に成功している実業家の多くが共通して、この思考力を備えているといいます。
*ラテラルシンキングとは、ひとつの事象を多角的に捉え、常識を疑い革新的な発想を生み出す思考法です。

でもこの問題を解くためには、発想力と同じかそれ以上に大切な要素がもう1つあります。それは、枠の外に出ることを恐れない精神力です。
多くの人は、大多数が属する枠があれば同じようにその枠内にいることに安心感を得ます。これを同調バイアスと言います。行動に迷ったとき周囲の人と同じ行動を取ることが安全と判断する心理傾向のことで、いわゆる場の空気に流される、といったところです。
もしあなたがこの9点の問題をグループで解こうとしていたとして、誰もがその答えを枠の内側でしか探そうとしていなかったら。そこであなたは、一度枠の外に出てみようと言えるでしょうか?

何かを手に入れるための覚悟

ユダヤの教えに、次のような話があります。

昔あるところに、3人の兄弟がいました。
ある日彼らは各自、旅に出ることにします。旅に戻ってきた後、それぞれがその道中に見つけたものを見せ合う約束をしました。

そして旅から帰った彼らは、それぞれ次のようなものを手にしていました。
長男は、見たいものがなんでも見えるコップ。
次男は、空飛ぶ絨毯。
三男は
病気が治る魔法のザクロ。

3人が長男のコップを覗いてみると、遠くの国で病気に苦しんでいるお姫様が映りました。そこで3人は次男の絨毯で急いでお姫様のところへ飛んで行き、すぐに三男のザクロを食べさせました。

すると無事お姫様の病気はすぐに治りました。これに感激した王様は、3兄弟のうちの誰かに、お姫様との結婚を許す、と言います。しかしその誰かは、お姫様が決めることとなります。
さてこのうちお姫様が結婚相手に選んだのは誰でしょうか?


お姫様は、三男を選びました。でもなぜでしょうか?

その理由は、三男のザクロだけが使うとなくなるものだったからです。病気のお姫様を発見してくれた長男のコップも飛んできてくれた次男の絨毯もそのまま残っていますが、三男のザクロはお姫様が食べてしまったためもうありません。三男はザクロがなくなるとわかっていながらお姫様を助けたことに、お姫様は感動したのでした。

このお話は、“痛みや労力もなしでは得られるものはない=ノーペイン・ノーゲイン”の教えを表した教訓です。理想を叶えるには、多少の犠牲も必要。無傷で欲しいものだけを手に入れようとしても、それはあまりにも自分の都合がよすぎる、と言えますよね。

常識を変えるための行動力

1800年代半ばの西ヨーロッパで、産褥熱が流行していました。妊婦が産後間も無くして死亡してしまう病気で、長らく原因が不明でした。産褥熱は長い間人々を恐怖に陥れていましたが、医師があることを始めたことによりパタリと収束します

それは、”手洗い” です。

200年前、当時まだ手洗いの概念はありませんでした。多くの病院で1人の医師が産褥熱で死亡した遺体の解剖を行って、そのあと手を洗うことなく次に分娩指揮を取るようなことが繰り返されていました。出産した女性はその出産時に医師を通して産褥熱に感染し、間も無く命を落としていたのです。医師が手洗いを始めたことで産褥熱の流行は収束しました。

ですが悲しいのは、その原因を突き止め医師たちに手洗いを呼びかけたSemmelweis Ignác(センメルヴェイス・イグナーツ)は、当時医学界に受け入れられなかったことです。それどころか邪魔者扱いされ、精神病にかかってしまいます。そして精神病棟に入れられ、そこで衛兵から暴行され亡くなってしまったのです。手洗いの正当性が認められ世に広まったのは、センメルヴェイスの死後数年、産褥熱の流行からおよそ30年も後なんです。

亡くなってしまっては元も子もありませんが、それでも自分が信じた物事を主張する姿勢は大切です。もしもセンメルヴェイスが周りからの反対にすぐに心折れて主張をやめていたら、その後の世界がどうなっていたか想像も尽きません。

新しい価値観を持つべきタイミング

新しく災害・紛争が起きたり疫病が流行したりするたびに世界には新しい価値観が生まれ、常識が変わる、と言われます。世界では現在も50もの紛争・戦争が起こっていますし近年では特にロシア・ウクライナ戦争が始まり現在も続いています。それからコロナも完全終息はしていません。なんだか今、新しい常識が生まれようとしている、そんな気がしませんか?

自分が普段習慣的に、または無意識的にとっている言動を見直してみましょう。自分で考えもせず、周囲に合わせるだけで“なんとなくしている”ことはありませんか?安い・早い・便利だから、という理由だけで選んでいませんか?

何かを手に入れたいのなら。何かを始めたいのなら。枠を出る発想力と勇気を持ち、多少の犠牲は覚悟し、一方的な考え方をしないこと。
時代の流れを読み、自分の言動を理解しておくことですね。

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