見る夢と叶える夢

ビジョンは持てているか?

ビジョンがあることの大切さ

昔、イタリアの天才芸術家のミケランジェロが世紀の大傑作であるダビデ像を掘り終えた時、彫刻の技術に深く感動したある人がミケランジェロにこう尋ねました。
”どうしてこんな素晴らしいものがあなたには作れるのか?”
これに対してミケランジェロはこう答えました。
”まず大理石を準備して、ダビデじゃない部分を削り落としただけですよ。”

あなたはこの話を聞き、どのように感じましたか? 
ミケランジェロは天才だから特別なので、自分には無理だ? 
それとも、ビジョンさえあれば自分にも同じようなことはできるはず?

1年後に1億円を持つ自分がいるとしたら?

まず、1年後に1億円を手にしている自分を想像してください。それを持っている自分は喜んでいます。どうやらそのお金は怪しいものではなく、クリーンなもののよう。みなさんが合法的に、満を持して手に入れたお金です。
さてそんな自分をイメージしたら、次にみなさんが思うのはなんでしょうか?

”1年後にその1億円を何に使おうかな”、ですよね。洋服を買う、旅行に行く、美味しいものを食べに行く、投資を始める。もしかしたら仕事も辞めるかもしれません。今からその計画を立て始めるのではないでしょうか?

でも、覚えておいてください。世の中には、この1億円を持つ自分に対してまた別のことを思う人もいるんです。その人たちがどう思うかと言うと、こうです。
”その1億円を自分は1年後までにどう稼いだんだろう?”

前者は、1年後1億円があるという結果に対してその仮の未来が起こった後のことに妄想を膨らませています。一方後者は、その1年後1億円があるという結果に対して、それまでの過程を考えているわけです。どちらが正解かということはありませんが、一般的に成功者に多いのは後者の答えです。彼らは、仮の未来だとしても、自分の想定すること以外のことが起こる場合にはその理由や過程を理解しようとするからです。

見る夢と叶える夢の違い

1年後にまとまった1億円が欲しい。でもその1億円を手にする手段が全く思い浮かばない、という人には結局、1年後1億円は手に入れられないでしょう。逆に、(ちょっと非現実的かもしれませんが)仕事で頑張って成果を出せばいいんだと思えるならそれでいいし、親の遺産でもカジノでも宝くじでも、なんでもいいからとにかく1億円を手にいれる方法が思い浮かべられれば、それを実現できる可能性は高くなりますよね。

これをモチベーションという言葉で説明するとどうでしょうか。1億円を使う自分しか想像できない人は一見するとモチベーションがありそうに見えて、実際には実現できないとわかった瞬間にモチベーションは消えてなくなります。言うなればそもそも湧いたように見えたモチベーションも見せかけばかりで、最初からそんなものはなかったかもしれません。
対して1億円をどう稼いだかを知ろうとする人は、その時点ではそれがわかっていなくても、試してみたり勉強したりして行動を起こそうとするためモチベーションが自然に備わります。そういう人は1円を稼ぐごと、または1億円に近づくたびに、じわじわとモチベーションの馬力が増していくので、1億円を手にする可能性を高めます。
現代では、ああいうふうになりたいとかあれをしてみたいっていう憧れがあるのに、どうせ私には無理だとかお金がないからダメだと言い、始める前から諦める人が多いです。その憧れに近づこうとも、そのために何かの行動を起こそうとも思わなければそれも当然ですよね。それはモチベーションが低いか発動しないかの前に、そもそもモチベーションではないのでしょう。

“夢“という言葉でも説明してみましょう。例えば、ただ1年後に1億円が手に入ったあとのことばかり考えるのは”見る夢”。これは寝ているときに見る夢と同じで、現実世界では起こりません。一方で、1年後に1億円があるイメージに向けてどうしたらいいかを考え行動をすると、夢は夢でも”叶える夢”になります。同じ夢でも全然違いますよね。

ビジョンとゴールの違い

夢は、ビジョンとも言えます。よくゴールとも間違われますが、ビジョンとゴールは、異なるものですので整理しましょう。

ビジョンとは目標そのもののことで、より具体的に言えば、イメージとして思い描ける理想の状態のことです。実業家として成功するビジョンであれば都内一等地にオフィスを構えデスクに座る自分とか、マラソンを完走するビジョンであれば両手を挙げてゴールに飛び込む自分のそのときのイメージです。これがなければ、方向も計画も定まりません。
ゴールも目標といえますが、ビジョンよりはスケールが小さく、積み重ねることによってビジョンを達成・実現するための課題のようなものです。半年後のマラソン大会で完走するというビジョンがあれば、そのために毎日5km走るとか3ヶ月後までに30kmは走れるようになっておくといったところでしょうか。

よく、ゴール=勝利だと捉える人がいますが、それは違います。例えばサッカーであなたのチームが1点ゴールを決めても、相手に2点ゴールを決められれば負けです。F1もそうです。あなたがいくらゴールしたとしても、1番でなければ勝利ではありません。少しでも多く質のよいゴールを決めていくこと、これが勝利というビジョンにつながります。

まずは、ビジョンを持つこと。何かしら物事は多くの場合夢=ビジョンを見ることから始まります。最初はそれが寝ている間になんとなく見た夢でも、明確なビジョンに変えてゴールを決めて、叶える夢にすればいいんです。

冒頭のミケランジェロのダビデ像の話を思い出してください。ミケランジェロは確かに天才かもしれません。でもダビデ像が生まれた根本的な考えは、ビジョンはがなければ何も始められもしないが、ありさえすれば何事も達成できるというシンプルなことです。
毎晩理想のビジョンを描きましょう。そして毎朝起きたらそのビジョンに向かってその日にするべきゴールを決めましょう。描き、行動すれば、必ず実現します。

まとめ

1年後に1億円を持つ自分を想像したとき、その1億円を使うことを考える人と、その1億円をどうやって稼いだかを考える人がいます。この話を夢で例えると、前者は寝ているときに見る夢を同じで、後者は実現の可能性がある叶える夢です。成功者の多くは後者のように考え、夢を叶えようとします。
叶える夢はビジョンとも言えます。ビジョンは理想像で、目標そのもの。ゴールはビジョンを叶えるための小さな課題のようなもの。ゴールを積み重ねることで、ビジョンは実現することが可能になります。

ただし、ビジョンがなければ何も始められないので、とにかくビジョンを持つことは大事。そしてビジョンを持てたら、それを寝て見る夢にせず、叶える夢に変えるために行動しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です